ひふみのブログ

シンプルに生きる。

自分の言葉で話すということ

先週、お客との打ち合わせでボロッカスに言われて帰ってきましたのでメモとしてここに残して置く。理由は端的にまとめると『自分の言葉で話す』ということが出来ていなかったから。

 

もともとは上司の代打で急遽その打ち合わせに参加した経緯もあるのだけど、うちの会社が提案するサービスやソリューションの構成について、選定理由を聞かれても製品サイトのページに載っている導入メリットを話すだけ、プロジェクトの進め方やリスクを聞かれても教科書に書いてある内容程度の回答しか出来ない状況でした。

 

そして『教科書的な話が聞きたいんじゃなくて、うちの会社の組織や事業環境、依頼内容を理解したうえでの話をして欲しいんですよ。(みたいな?)』と、キツイお言葉をいただきました。

 

魂のない言葉は相手に響かない、それに尽きる。

 

自分の言葉で語るということ

打合せをしていると時々、自分の話す言葉に対してお客が共感してくれたり、深く頷いてくれることって時々ある。『相手に刺さる』などと表現したりもする。

このような話が出来る時って、話す内容が『自分の言葉』でキチンと伝えられているときなんですよね。

以下の様な感じかな。


①そもそも話し方・論理の組み立てがうまい
・話すスピードやトーン
・起承転結が分かりやすい

会話のテクニック的な部分ですかね


②話すテーマについて深い知見がある
・専門的な知識がある
・話すテーマ(製品)の背景(業界の動向、トレンド、関連する法律)まで押さえている

これもまぁ当たり前ですね、深い知識は必要でしょう


③相手が何を知りたいのか、何を知らないのか理解している
・聞き手が欲している情報や知らない情報まで把握しているか
・聞き手の立場や背景(後ろにいる人)、課題感まで理解しているか
・話をすることになった経緯を押さえているか

聞き手側の背景を理解しているのかということです。
相手の問題意識や知識のレベルに応じて話し方を変える必要がありますし、また聞き手が単純な興味で聞いているのか、背後の誰かに強制されて聞いているのかによっても話し方は変わると思う。


④どうすれば伝わるか突き詰めて考えている
・抽象的に伝えるにはどうするか
・具体的に伝えるにはどうするか
・代案との比較結果を伝えているか
・対立意見への見解を伝えているか
・批判でなく改善、提案になっているか

論理武装や論破でなく「納得感」を持ってくれるためにはどう伝えればいいかということでしょう。

 

自分が考える『自分の言葉で話をする人』って特に③、④あたりが非常に徹底されている。相手の理解を確認しながら伝え方を変えることが出来るし、お互いの認識に齟齬があった時でもすぐに正しい方向の議論に戻すことが出来る。

だからお客にも刺さるし、理解も示してくれるのだと思う。

 

じゃあそこまでやれるか?

分かっている、分かってはいるんだけど、ここまで突き詰めて話をするにはそれなりに準備に時間を使うし消耗もする。
仕事が忙しくなると、どうしてもそこが甘くなる。

でも考えを積み重ねて、周到に準備した言葉を相手にぶつけた時は確実に刺さる、経験上それは感じている。(口先の話術的な要素って実はあまり関係ないと思う。)

 

どんなに綺麗にパワポ作っても、表面的に取り繕っても、裏で費やした時間・考えた思考の量は相手にはバレる。(そして、ああこういう仕事をする人なんだね。と思われる。)

 

プレゼンでも見積説明でも進捗会議でも障害報告でも根本は同じ。

だから自分の言葉で話している人って信頼できるし、価値があることなんだと思う。