遍路37日目、伊予三島のホテルを出発する。今日は愛媛県最後の札所、三角寺に到着する。そこから先は香川県だ。徐々に標高が上がり香川への山越えとなる雲辺寺へとつながる。
三角寺へ続く山道を登る。
愛媛の海もこれで見納めになる。工場の煙突の煙とうっすら広がる海、この街の海の景色もいい。
この旅で海にも色々な顔があるんだと改めて実感した。
日和佐で見た風情のある海、
室戸で見た広大な果てしない海、
足摺で見た荒々しい海、
下灘で見た青々とした静かな海、
そして伊予三島の少しの哀愁を感じる海、
海を見ると元気が出てくる。
二時間程の山道を歩き六十五番札所、三角寺に到着する。
途中でバスツアーの団体と遭遇する。二十人位だろうか?例によって納経所に行くとうず高く積まれた納経帳に御朱印をしている所だった(バスツアーでは添乗員の人が全員の納経帳を取りまとめて納経所にもっていくのだ。)しばらく待ちそうだなと思ったが、ツアーの添乗員らしき人が『お先にどうぞ』と譲ってくれた。
今日は時間的に余裕があるので途中にある別格の札所にもよってみる。
やはり本堂も大師堂もあるが、全体的にこじんまりした印象だった。参拝者と話をしたが、88箇所の札所とは別に別格の札所として20箇所が定められている。足すと108つで煩悩の数になるらしい、なるほどね。
札所の前にある民家のおばちゃんから声をかけられお接待を頂戴する、本当にありがたい。声をかけてもらえるだけで元気を分けてもらってる気がする。
そしてこのトンネルを抜けると香川県になる(境目トンネルと言うらしくそのままのネーミングだ。)さようなら愛媛県。
トンネルを抜け香川県にはいる。香川ならうどんだろうと真っ先に見えてきた食堂に飛び込み、昼飯でうどんを食らう。
旨い、けど何か個人的なイメージとしては丸亀製麺やはなまるうどんなどの太くてコシのある麺を想像していたので違和感を感じた。
店のオーナーと雑談をして、香川のうどんのイメージを話したら思いがけない一言が。
『ここ徳島だよ。』
『!?』
確かにグーグルマップを見るとギリギリ徳島にいる。この場所は愛媛、徳島、香川の三県の県境にあり、ギリギリ徳島に位置する場所だった。良く調べると明日行くことに雲辺寺もギリギリ徳島県にある。香川に入るのは雲辺寺山を下山しているときだ。という事で香川でのうどんは明日以降に持ち越しとなった。(ここのうどんはおいしかったです。)
そんなこんなで宿に着く、宿泊者は相模原から区切りで来ているおじさんとカルフォルニアから来てるおじいさん(72歳)と一緒だった。
カルフォルニア爺さんのスケジュールは自分と被ってるので今後のレギュラーメンバーになりそうだ。
明日は88箇所一番の標高である雲辺寺の登場である。