遍路35日目、朝食を食べ6時半頃宿を出発する。今日は5ヶ所回るため慌ただしくなりそうだ。
まずは愛媛の難所と言われてる横峰寺を目指す。山道にはいる前に五キロほど登りの道路を歩かされる。小学生の登校に出くわす、全員元気一杯に挨拶をしてくる。あの無邪気な明るさがうらやましい。
しばらく歩くと山道の入り口にはいる。これから二キロ程の山登りである。
そこそこにきつい山道が続くがもうこの遍路で山道を登るペース配分や杖の使い方などが身に付いたため普通に景色を楽しむ余裕がある。普段の生活では全く役に立たないスキルである。
賽の河原?石が積んである。
登り始めて一時間半後、六十番札所、横峰寺に到着する。完全に逆光過ぎてどうすることも出来なかった。
その後下山し次の香園寺(こうおんじ)を目指す。実は昨日の宿で先達をしているおじさんから62番、宝寿寺についての話を聞かされた。
主観が入らないようにひとまず把握している事実だけ書こうと思う。
まず、この四国八十八か所の各寺院は『四国八十八か所霊場会』なる組織に所属しており、その中でお寺の運営、納経の時間や納経代等、ある程度足並みをそろえた運営を行っているらしい。
そんな霊場会を宝寿寺は脱退し、今は独自のルールで寺の運営を行っている。それを受けて霊場会は61番、香園寺の駐車場に簡易礼拝所を別途作りそこを62番としているらしい。当然、宝寿寺はそのまま存続しているので62番の札所が2つある状態なのだ。
脱退の理由は色々噂は聞いているが正直よく分からない。霊場会、宝寿寺それぞれに言い分はあるのだろうから、この場では特にどちらが悪いと言うつもりもない。
昨日の先達のおっちゃんの意見も好きな方に行けばいいとのことだった。
結局お寺でも教会でも組織になれば色々揉め事は起きるということだろう。釈迦や空海はどう思うのだろう。
ここで納経所の人に宝寿寺に行かず、駐車場の礼拝所に行くように言われる。個人的には正直どっちでもいいが、やはり空海縁の地を回ることが遍路なので宝寿寺に行くことにする。
途中で外資系おじ様と再会する。4日振り?の再会である。彼は礼拝所で御朱印を貰ったが、一応、宝寿寺にも行くようで一緒にお寺を目指す。六十二番札所(?)、宝寿寺。
境内に入るとロープで順路が決められており、納経所の前を必ず通らないと本堂に行けないようになっていた。何か監視されているみたいだ。
ただそれ以外は特に普通にだった。御朱印も墨書きも別に普通、至って普通のお寺だった。まぁ内部のゴタゴタがあるうちは世界遺産は程遠いだろう。
※2019年12月:追記
宝寿寺は2019年12月1日をもって再び霊場会へ復帰したとのことです。
よって香園寺の簡易礼拝所は廃止となりました。
ゴタゴタが収束したようで何よりですが、この期間に簡易礼拝所を巡礼した人にとってはちょっと複雑な気持ちになるだろうなぁ。
その後、六十三番、六十四番を立て続けに打つ。
六十三番札所、吉祥寺。(前田太尊はいなかった。)
六十四番札所、前神寺(まえがみじ)
ここでは沖縄兄ちゃんと一緒になるなる、軽く雑談したあと今日の野宿ポイントを探しに行った。彼が言うには野宿のし過ぎで雨が降る直前のタイミングがわかるようになったらしい。(蟻がいなくなるらしい。。。)何かすごく野生化してきてる。
自分は当然野宿はせず今日の宿へ向かう。3000円の格安ビジネスホテルだが、暖かい布団で寝れる幸せを感じながら眠りにはいる。
歩行距離:30km
霊場:横峰寺、香園寺、宝寿寺、吉祥寺、前神寺
宿:イレブン
明日は1日移動日。