ひふみのブログ

シンプルに生きる。

遍路18日目 足摺岬へ①

遍路18日目、昨日から降っている雨は相変わらず降り続いている。行きたくない!行きたくないょおおお!と宿の部屋でうだうだする。

午前8時、諦めて出掛けることにする今までで一番遅い出発時間だ。

今日と明日は足摺岬金剛福寺へ向かうための移動の日、室戸岬アタックと同様ひたすら歩くだけである。ただ室戸の時と違いコンディションは良くない。

①天気が悪い
室戸時は天気が良く気持ち的にも歩きやすい日が続いていた。足摺岬アタックの今日、明日は雨、気持ち的にもまいる。

②孤独感
室戸時はゴールデンウィークのためそれなりに歩き遍路さんもいた。しかしこれからは平日のため数はグッと減るだろう、あれだけいた外国人の遍路さんも見なくなった、孤独な戦いが予想される。

③足の状態
両足のマメが痛い。とにかく痛い。ここ数日で一気に悪化した。

何にせよ自分ができることは歩くことだけだ。誰にもすれ違わない、誰にも追い付かない孤独な行軍が続く。昨日乾かした靴がすぐにぐしゃぐしゃになる。

歩き始めて二時間もすると雨はやんできた。たぶんまたすぐに降りだすので今のうちにペースをあげて距離を稼ぐ。

トンネルを抜けると海岸に出る、井ノ岬というところだ。久しぶりに海を見た気がする。室戸の海と違いこの辺りの海は少し荒れていて暴力的な感じだ。

海岸に降りて辺りを見回しても誰もいない、日本の最果てのような場所。

自分と波の音だけがそこにある。

遥か遠くの東京では前の職場のみんなは今日も働いているのだろうか?

自分が引き継いだ仕事やお客はうまく回っているのだろうか?

何であんなに身を削るような働き方をしていたのだろうか?

そんな答えもない、考えても意味のないことをしばらく荒れた海を眺めながら考えていた。

自分の脇を車が走りすぎる、大したスピードではないので時速40kmくらいだろう。しかし徒歩なら10時間、1日がかりの移動を車なら1時間で移動できてしまう。改めて文明の力のすごさを感じる。

車どころかメールやライブ配信なら世界の裏側の人にだって一瞬でコミュニケーションがとれてしまう。徒歩とのスピード感の差は歴然だ。そう考えると人間の歴史の中でも最近になるまで世界は眠っていたような状態だったのだろう。

今日は宿の予約の関係上大した移動距離にはならなかった。まぁたまには軽めの日があってもいいだろう。足の休息と今後の予定の見直しもしたいのであとはゆっくりすることにする。

 

歩行距離:23km
霊場:なし
宿:土佐ユートピアカントリークラブ