ひふみのブログ

シンプルに生きる。

遍路4日目 孤独な行軍

遍路4日目、昨日のお酒も残らずわりとすっきり目が覚める。今日は『遍路転がし』と呼ばれる難所に挑戦する。

遍路転がしは十二番札所、焼山寺に至るまでの登山道で山を3つ越えていく難所です。

昨日の同じ宿だった、おっちゃん達と山道に入り上り始める。

 

この後はまず最初の山越登り。
普通にきつい、二時間後、一緒に歩いていたおっちゃん達のペースに合わせるとどう考えても今日の宿に間に合わなそうなので、先に行かせてもらう。
柳水庵なるところで一休み。湧き水とお握り、超うまい。
 
そのまま下って、また登って、また下って、孤独な行軍が続く。
今までは何だかんだ誰かしらと歩いていたので気づかなかったが、一人になると人のありがたみをつくづく感じる。
道に迷いそうなとき相談できる人、ちょっとしたときにリュックから荷物を出してくれる人、すれ違う人がしてくれる挨拶。
今は頼れる人が誰もいないので慣れない山道を不安と戦いながら黙々と歩く。 
途中、浄蓮庵(じょうれんあん)なるところを通過、お大師様が迎えてくれる。(一礼)
また下る
また上る
下る。
最後の登り、苦しい。
膝がガクガクになりながら何とか登り切る。水は1リットル以上飲んだろうか。
登り始めてからちょうど五時間後、十二番札所、焼山寺へ到着。ヒャッハー!!
 
境内に誰もいない解放感と登り切った達成感が相成り全力の般若心経を熱唱する。
もう照れ臭さは感じない。
 
しばらくすると、トレイルランの練習をしている地元の兄ちゃんが来る。しばらく話をしたら、お接待ということで境内の食堂のうどんをご馳走してくれた、うまい。
 
宿の時間もあるため本日の宿を目指して再び歩き始める。
 
そして今日の最大の誤算が宿の場所だった。普通は寺の近くの宿をとるようだが自分は10km先の宿を予約してしまった。今登った山を下ってさらにもう一つ山を登って、下らないといけない。
 
先ほどで燃え尽きた精神、身体中の筋肉痛、相変わらずの孤独、テンション最低の状態で歩く。16時を過ぎると山にも少しづつ夜の気配が漂ってきて余計不安になる。
また登り、心が折れそう。。。
山道を抜けた。あの山の麓の一番下に今日泊まる旅館がある。嗚呼長い、疲れた足に下り坂は堪える、、、
ヘロヘロになりながら何とか宿に付く。

旅館には逆打ちのお遍路さんが一人で泊まって晩御飯を一緒に取る。

70歳の初老のおじいさんでもう仕事を退職して毎年一回、今の時期に通しで歩き遍路をしているのだという。

宿の女将さんも含めて3人でこれからの工程のアドバイスもいただき、難所を越えた安心感もあり、楽しい時間を過ごすことが出来た。

個室に戻り布団に入る、まだ山の中ということもあり夜は本当に暗くて静かだ。夜が深く感じる、音がない世界なのに夜の音を感じる。

そんな不思議な感じの中で眠りに付いた。
 
歩行距離:28km
霊場焼山寺
宿:植村旅館
 
寝る。