俎嵓登山の後編です。
理想的なタイムで肩の小屋までたどり着いたのでこのまま一気に次のチェックポイントのオジカ沢ノ頭まで行きます。大体1時間程度でしょうか。
オジカ沢ノ頭へ
ここからが楽しみにしていた主脈の縦走です。一度下ってからまたオジカ沢の頭(写真の右側のピーク)に向けて登っていきます、写真奥左の切り立ったピークが俎嵓です。
気温も早目に来たおかげでそこまでまだ上がっておらず、時折ふく風が心地よい快適な稜線歩きです。(これやでこれ。)
切り立った稜線の上からの眺めは美しいです。
お花もたくさん咲いていました。
キオン
その後のピークに向けて登っていくわけですが切り立った稜線上を歩く特性上、岩場の登りは危険性が高く滑落したら確実に死ぬポイントがいくつかありました。この辺りからこれまでと質の違う厳しい登りが続きます。
垂直な崖、写真には取っていないですが後ろは断崖絶壁なので落ちたら確実に死にます。この日のために練習した三点支持で確実に登ります。
10:30オジカ沢ノ頭到着、ガスって来ました。
避難小屋、ここで休憩&補給をします。(宿泊してもいいのかな?)
さて、休憩して体力も回復したしコースタイムも予定通りなので、最後の仕上げここからは谷川岳主脈の稜線から分岐して俎嵓へ向かいます。
俎嵓へ
いよいよ俎嵓にアタックするのですが端的に言うと非常に厳しい道でした。遠くから眺めるのと実際に歩くのでは全く違う(違い過ぎる)のでだいぶ苦労しました。辛くて写真を撮る余力もあまりありませんでした。
のっけからこの藪の道なき道を進んでいきます。正確なルートがパッと見わかりませんがわずかに倒れている藪を手掛かりにルートを切り開いていきます。
ルートの5割程度がこの藪の海でした。
藪で足元の視界が悪く一歩歩くごとに木の根に引っかかったり、突然現れる段差に沈みこんだり、突き出ている岩に足をぶつけたり、3回ほど転びました。
途中は胸のあたりまで藪が来て本当に藪の海に溺れそうな感じで一歩一歩が非常にエネルギーを消費する山行です。
藪の海をようやく抜けて一息つくと、谷川岳連峰の主脈全体が良く見渡せるスポットにでます。目の前のピークが万太郎山、そのまま左(新潟方面)に進めば以前行った仙ノ倉山、平標山に続く感じです。
あと少しで山頂。
日中になりきつくなる日差し、高くなる気温、そして藪漕ぎと高低差以上のエネルギーと気力を使い久しぶりに若干心がくじけています。
そして2回ほど山頂詐欺に舌打ちしつつ、どうにかこうにか俎嵓(1886m)に登頂です。本当に疲れました。
やったぜ!(二度と来ない)
地図を見て気づきましたがこの俎嵓の真下に関越トンネルが走っているのですね。こんな所をぶち抜いてトンネルを作るなんて山の神を恐れぬ所業、人間スゲー。
これまで歩いてきた道も見渡せます。谷川岳のオキの耳、トマの耳、午前中に居た肩の小屋もよく見える、あんな所から歩いて来たんだなぁ。
しばらく休憩したあと12:30下山開始、あの道を戻ると思うと憂鬱になりますがロープウェイの時間もあるので重い腰を上げて下山を開始します。
ここから折り返して肩の小屋までの道は本当につらくて心を無にしていきました。道中はひたすら般若心経を唱えてました。
14:30肩の小屋到着。(白目)
悪魔的っ・・・コーラが染みてきやがる!!
ここまでくれば一安心、他の登山者たちもいるので安心して下山が出来ます。速攻で降りて16:30にロープウェイ乗り場到着です。
とまぁそんな感じで何とか帰ってこれました。
苦労はしましたがあの稜線を歩く爽快感や充実感は格別で、アルプス以外にも近くにこんなに素晴らしい山があるのかと改めて実感した次第です。秋口に行けば紅葉に色付いた景色も見れるので何度でも登りたい山域ですね。(ただし藪漕ぎは除く。)
累積標高でいうと思っていたほどでもありませんでしたが、とにかく午後からの気温の高さと俎嵓の道が辛くて思っていた以上に体力・精神力を使いました。
水も3リットル持っていきましたが全て使い切りました。多少荷物が重くなっても命に係わることなので水はケチらずに持って行って良かったと思います。(少な目にして肩の小屋で追加購入することも考えましたが万一購入できないことも考慮して持っていきました。)
体感的には累積標高で1500mぐらいまでならいけそうだなとは思いつつ、最近調べ始めている2000m前後の山はまだ実力的に日帰りは難しいなと思った次第。少しずつレベルアップしていきます。
帰りは家系ラーメンで優勝(ヒンナ、ヒンナ)
以上、俎嵓登山の記録でした。