過去への拘りって多かれ少なかれそれぞれの人が持っていると思う。
『自分は昔はこんなに凄かったんだ!』とか
『昔はこんなに苦労して散々な目にあったんだ。。』とか
良いことも、悪いことも含めて自分の中で過去への拘りを拗らせて、今の生活自体を台無しにしている人をちらほら見る。
かく言う自分もおそらくはそんな節があった。
20代、30代前半は職場環境も上司も含めかなりブラックな環境で仕事をひたすらし続けてきた。深夜残業、休日出勤、お客からのプレッシャーや緊急での障害対応、まさに滅私奉公の生活だった。
限界ギリギリまで働いて、それでも仕事が回せず、上司に会議室で叱責されたときはいい歳して泣いてしまったなぁ。
結局その後は自分がマッチョになって仕事も回せるようになって、上司とも対等に張り合えるように力を付けたんだけど、結局過去の記憶と決着を付けることができず自分の精紳は不安定なままだった。
ある時ふっと昔のことを思い出して強烈な怒りがこみ上げてきたり、新しく入社してきた若手に対して自分がされて嫌だったことを繰り返したりとか、、、
いつでも頭の片隅には『あの時の俺はこんなに不幸だったんだ!だから・・・』という思考回路が頭から離れない状況になっていた。
不幸な自分は特別・・・
周りの奴も自分と同じように不幸になるべきだ・・・
そんな感情が確かにあった。
過去への拘りは強く、それは今の自分の心すら蝕んでくる。
嫌だった過去を話すときだけやけに饒舌になる自分。
この感情は自分を不幸にする。
環境を変えなくては、、、
あの人達がいない場所で働かなくては、、、
そう思い自分は会社を辞めた。
その後一月ほどプラプラと旅にでた。
社会とのつながりを一端絶ち、四国を遍路し、お寺を歩いて回った。
不思議な時間だった。
そのあと別の会社に転職して今はまた働いている。
転職してからもやっぱり色々あってひどい目には合っている。
でも昔ほどの卑屈になったり、根に持つことは少なくなった。
当然すべての過去を納得して消化できたわけではない、まだまだ自分の中での黒い感情は消せないし、多分消えることもないだろう。
でも少しだけ前よりは生きやすくなった。
それだけで十分だと思う。